知能検査は無料で受けられる?自分で購入して実施できる?
「知能検査を受けてみたいけれど、無料で受けられるの?」 「インターネットにあるIQテストでも、本当のIQが分かるの?」 「自分で購入して、自分で検査することはできないの?」
知能検査について調べていると、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 特に「IQテスト」と検索すると、無料でできるサイトがたくさん見つかります。
しかし、インターネット上の無料IQテストと、心理士などの専門家が実施する知能検査は、同じものではありません。
この記事のポイント
- 無料の「IQテスト」と、専門的な知能検査は別もの
- WAIS-IVのような専門的な知能検査を、一般の方が購入して自分で実施することはできない
- 知能検査は、実施するだけでなく、結果を適切に分析して解釈する専門的な知識と経験が必要
1. 無料のIQテストと知能検査は同じもの?
「IQテスト 無料」などと検索すると、インターネット上にはさまざまなテストが出てきます。 謎解きやパズルのような問題をいくつか解き、最後に「あなたのIQは○○です」と表示されるものもあります。
「この図形の中で、次に入るものはどれ?」
↓
いくつかの問題を解く
↓
「あなたのIQは120です!」
このようなサイトは、パズルやクイズとして楽しむことはできます。 ただし、そこで表示されたIQの数字を、そのまま専門的な知能検査で得られるIQと同じものとして考えることはできません。
専門的な知能検査では、問題を作成するだけではなく、どのような人がどのような得点を取るのかを統計的に調べ、 その結果をもとに得点を解釈できるように作られています。
そのため、無料サイトで「IQ120」と表示されたとしても、それだけで「専門的な知能検査でIQ120だった」と判断することはできません。
💡 たとえるなら
無料のIQテストは、知能に関するクイズや謎解きに近いものです。 一方、専門的な知能検査は、統計的な基準に基づいて能力を測定しています。 どちらも問題を解くという点では似ていますが、実施方法や結果の扱い方が異なります。
2. WAIS-IVは無料で受けられる?
WAIS-IVのような専門的な知能検査を、一般の方が無料で受けることは基本的にできません。
WAIS-IVは、成人を対象とした知能検査の一つで、世界的に使用されている、信頼性の高い知能検査です。 IQだけではなく、認知機能の特徴を複数の側面から捉えることができます。
実際の検査では、単にパズルを解いて終わりというわけではありません。 言葉を使った問題、図形を扱う問題、数字などを一時的に覚えて操作する課題、視覚的な情報を素早く処理する課題など、 さまざまな課題に取り組みます。
そして重要なのは、検査を実施した後です。 得られた得点をどのように読み取り、本人の生活や仕事での困りごととどのように結びつけて考えるかには、専門的な知識が必要になります。
3. WAIS-IVを購入して、自分で実施することはできる?
「それなら、検査そのものを購入して、自分や家族に実施すればいいのでは?」 と考える方もいるかもしれません。
しかし、WAIS-IVのような専門的な心理検査は、一般の方が自由に購入して自分で実施できるものではありません。
心理検査・知能検査を販売している会社から購入する場合にも、専門的な資格や施設などについて一定の条件があります。 例えば、販売元によっては「レベルC」の技術者に該当する資格(臨床心理士等)を持っていることに加え、 心理検査を行う施設であることを証明する必要があります。
専門的な資格・知識を持つ技術者が扱うことを前提としている
心理検査を適切に実施できる施設であることが求められる
検査結果の分析・解釈には専門的な訓練が必要
つまり、知能検査の購入は難しく、手軽にできるものではありません。
4. 資格を持っていれば、すぐに実施できるわけでもない
では、公認心理師や臨床心理士などの資格を持っていれば、すぐに知能検査を実施できるのでしょうか。
実際には、資格を取得しただけで十分というわけではありません。
大学院などで心理学を学び、公認心理師などの資格を取得した後も、 心理検査についての研修を受けたり、実際の検査を経験したり、先輩心理士から指導を受けたりしながら、 実施や分析の技術を身につけていく必要があります。
検査は「実施して終わり」ではありません
同じ検査を実施しても、検査結果をどのように読み取り、本人にどのように説明するかによって、 フィードバックの内容は変わります。
5. 特に難しいのが「所見(結果報告書)」の作成
心理検査で特に専門性が求められる部分の一つが、「所見」の作成です。
所見とは、検査で得られた結果をもとに、その人の特徴を整理し、分かりやすく文章にまとめたものです。
ここでは、単純に「得点が高い」「得点が低い」と書けばよいわけではありません。
所見を作成するときに考えること
- ① 得点の高さだけでなく、各指標のバランスを見る
- ② 指標間の差が、意味のある特徴として考えられるのか検討する
- ③ 受検した方が気になっていることと関連の強い結果はどこなのか考える
- ④ 検査結果を、実際の生活や仕事での様子と照らし合わせて考察する
例えば、全検査IQが同じくらいの方でも、言語理解が比較的得意な方もいれば、 視覚的な情報を扱うことが得意な方もいます。
また、「仕事で指示を覚えておくことが苦手」という悩みを持っている方であれば、 ワーキングメモリーなどの結果が、その悩みを理解するうえで重要な手がかりになることがあります。
このように、単に数字を並べるのではなく、 「この方にとって、どの結果が特に重要なのか」を考えることが、所見作成では大切になります。
6. 心理士によって所見の書き方も違う
心理検査の所見は、誰が書いてもまったく同じ文章になるとは限りません。
検査結果をどのように整理し、どこに重点を置いて説明するかには、心理士の考え方や経験も反映されます。
| 所見のスタイル | 特徴 |
|---|---|
| シンプルな所見 | 得意・不得意を比較的はっきりと整理し、簡潔に伝える |
| やや複雑だが詳細な所見 | 検査結果から考えられる特徴をできる限り多く整理して伝える |
| 数値中心な所見 | 検査結果の数値や指標を中心に提示する |
どのような形が最適かは、検査を受ける目的や、本人が知りたいことによっても変わります。
7. 神戸心理検査ラボが大切にしていること
神戸心理検査ラボでは、検査結果を単に数字としてお伝えするのではなく、 「その方にとって、どのような特徴があるのか」をできるだけ分かりやすく整理してお伝えすることを心がけています。
心理検査を受けることの意味は、IQの数字を知ることだけではありません。 自分の得意なことや負荷がかかりやすいことを知り、 これからの生活や働き方を考えるきっかけにすることもできます。
8. まとめ
- インターネット上の無料IQテストと、専門的な知能検査は同じものではありません。
- WAIS-IVのような専門的な知能検査は、一般の方が購入して自分で実施することはできません。
- 検査の実施だけでなく、結果の分析や所見の作成にも専門的な知識と経験が必要です。
- 大切なのは、得点の高さだけではなく、その人にとって特徴的な結果を読み取ることです。
「一度、自分のことを客観的に知ってみたい」 「仕事でなぜかうまくいかないことの理由を考えてみたい」 「自分の得意・不得意を整理してみたい」 という方は、心理検査を自己理解の一つの手がかりとして活用してみてはいかがでしょうか。